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2026-08-03

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【院長ブログ】矯正治療にレントゲンや口腔内写真が必要な理由

こんにちは!枚方市の歯医者藤阪てらしま歯科院長の寺嶋悟です。

今回は、「矯正治療にレントゲンや口腔内写真が必要な理由」というテーマでお話しします。

矯正治療を始める前には、歯並びやかみ合わせの確認に加えて、レントゲン撮影や口腔内写真の撮影を行います。患者さんの中には、「歯並びは直接見れば分かるのでは?」「どうして何枚も写真を撮るの?」と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、矯正治療では、目に見える歯の並びだけを整えるわけではありません。歯の根、あごの骨、まだ生えていない歯、上下の骨格のバランスなど、外からは見えない部分まで確認したうえで治療計画を立てる必要があります。レントゲンと口腔内写真は、それぞれ異なる情報を記録する大切な検査資料なのです。

まず、レントゲン撮影が必要な理由からご説明します。

私たちが普段見ているのは、歯ぐきから出ている歯の一部分です。歯には歯ぐきの中に埋まっている根があり、その周囲をあごの骨が支えています。矯正治療では、この骨の中で歯の根を少しずつ移動させるため、治療前に歯根や骨の状態を把握しておかなければなりません。

代表的なものに、上下の歯とあご全体を一枚で確認するパノラマレントゲンがあります。パノラマレントゲンでは、現在生えている歯だけでなく、親知らずや骨の中に埋まっている歯、まだ生えていない永久歯なども確認できます。

また、歯の本数がそろっているか、歯根の形や向きに特徴がないか、過去に治療を受けた歯があるかなども、矯正計画を立てるうえで重要な情報です。見た目には歯がないように見えても、実際には骨の中で生える方向を失っていることもあります。反対に、永久歯がもともと作られていないケースもあります。こうした違いは、お口の中を見ただけでは判断できません。

矯正治療では、横顔のレントゲンを撮影することもあります。これは側面頭部エックス線規格写真と呼ばれ、上下のあごの位置関係、前歯の傾き、骨格の成長方向などを分析するために使います。

例えば、同じように前歯が出て見える方でも、上の前歯が前方に傾いている場合、上あご自体が前方にある場合、下あごが小さいために相対的に口元が出て見える場合があります。原因が異なれば、歯を動かす方向や治療方法も変わります。

見た目だけを頼りに前歯を後ろへ動かしてしまうと、かみ合わせや横顔のバランスがかえって不自然になる可能性があります。骨格と歯の位置を分けて考えるためにも、レントゲンによる分析が重要なのです。

一方、口腔内写真には、レントゲンとは異なる役割があります。

口腔内写真では、治療前の歯並び、上下のかみ合わせ、歯ぐきの状態、歯の色や形などを記録します。正面だけでなく、左右や上下から撮影することで、診療室で一度見ただけでは把握しにくい部分も、後から繰り返し確認できます。

矯正治療は、数か月から数年かけて歯を少しずつ動かしていく治療です。毎日鏡を見ていると変化に気づきにくいものですが、治療前と治療途中の写真を比較すると、歯の重なりやすき間、かみ合わせがどのように変化したのかを確認できます。

患者さんにとっても、治療の進み具合を目で見て実感できる資料になります。「前歯がここまで並んだ」「以前より奥歯が噛み合ってきた」と確認できることは、長期間の治療を継続するうえでの励みにもなります。

さらに、写真は治療計画を考えるためだけでなく、治療中の変化を見逃さないためにも役立ちます。歯ぐきが腫れていないか、装置の周囲に汚れが残っていないか、歯の位置が予定どおり変化しているかなどを、過去の状態と比較できます。

矯正治療中は装置によって歯みがきが難しくなることがあります。定期的な写真があれば、磨き残しが増えている場所や歯ぐきの変化を患者さんと一緒に確認し、セルフケアの改善につなげることもできます。

お顔の写真を撮影する場合には、正面から見た左右のバランスや、笑ったときの歯の見え方、横顔と口元の関係などを確認します。

歯並びだけを整えても、お顔や唇とのバランスが合っていなければ、患者さんが望む仕上がりにならないことがあります。矯正治療では、歯だけを切り離して考えるのではなく、笑顔や口元を含めた全体の調和を見ることが大切です。

また、レントゲンや写真は、治療終了時の評価にも使われます。治療前と治療後を比べることで、歯並びが整ったかどうかだけでなく、歯根の向きやかみ合わせ、口元の変化などを確認できます。その結果をもとに、歯並びを安定させる保定装置の種類や、その後の管理方法を考えます。

ただし、すべての患者さんに同じ種類・同じ枚数のレントゲン撮影が必要になるわけではありません。年齢や歯並び、過去の撮影歴、治療内容などを踏まえ、診断に必要な範囲で撮影することが大切です。撮影する目的を明確にし、不必要な撮影を繰り返さないように配慮します。

レントゲンは外から見えない部分を確認する資料、口腔内写真は目に見える状態とその変化を記録する資料です。どちらか一方だけでは、矯正治療に必要な情報を十分に集められない場合があります。

矯正治療は、ただ歯を動かせばよい治療ではありません。どの歯を、どちらの方向へ、どのくらい動かすのかを判断し、安全で安定したかみ合わせを目指すためには、治療前の正確な診断が欠かせません。

「写真を何のために撮るのだろう」「レントゲンで何が分かるのだろう」と疑問に感じたときは、遠慮なく歯科医師へお尋ねください。検査の目的を理解したうえで治療を進めることが、安心して矯正治療を受けるための第一歩になります。

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