インプラント治療とは?
最近では、『第二の永久歯』などとテレビや雑誌で話題になることもあるインプラント。どんな治療法なのかご存知ですか?今では一般の方でも、ほとんどの方が「名前くらいは知っている」とおっしゃるくらい、よく知られる歯科治療のひとつとなってきました。
骨とくっつく性質を持つチタン製の人工歯根を、歯を失った箇所の顎の骨に埋め込み、チタンが骨と結合するのを待って、それを支えに人工の歯を固定します。最近の人工歯根は、チタンの表面に特殊な処理をしており、骨の中の血液とチタン表面の物質が接触することで、生物学的な結合、いわゆるBio Integrationが成立します。
骨とガッチリくっついたインプラントの上に型取りした人工の歯(歯冠)を固定するので、自分の歯でかむ感覚がよみがえり、金属部分が見えることもないので見た目も自然です。そうしたことから『第二の永久歯』と言われるようになりました。
このような患者さまはインプラントに適しています
- 取り外し式の入れ歯が苦手な方
- 口の中で入れ歯が動いたり、会話中に外れたりしやすい方
- 話したり、笑ったりした時に入れ歯が見えて恥ずかしいという方
- 歯が抜けた部分を治療するのに隣の歯を削られたくない方
- 以前と同じ天然歯のような感覚の歯をご希望される方
治療の流れ
- 問診・精密検査
- まず患者さまのお話をじっくりお伺いさせていただきます。ご不安な点や疑問点がございましたら、どのようなことでもご相談ください。
その後、インプラント治療についてのご説明をさせていただきます。患者さまに納得していただいたあとに、必要に応じてレントゲン、CTなどの精密検査を行ないます。
- 治療についてのご説明
- 精密検査の結果をもとに、インプラントの治療計画を立案し、ご提案させていただきます。
患者さまが十分納得され合意のうえで、治療を始めさせていただきます。
- インプラント治療
- 歯肉を切開し、インプラントを顎の骨に埋め込みます。
インプラントと骨がしっかりくっつくまで約8~24週間待ちます。
同日、あるいは翌日にインプラントに人工の歯を連結させ、仮の歯を作るケースもあります。
人工の歯をインプラントと連結させて完成です。
- メンテナンス
- インプラントは人工の歯ですので、虫歯になることはありませんが、手入れを怠ると歯周病になり、抜けてしまう可能性があります。
そうならないように、日頃のメンテナンスと定期的な検診を心がけてください。
インプラント周囲炎とケア
インプラントも虫歯になりますか?インプラント治療を初めて受けられる患者さまからこんな質問をされることがあります。
インプラントのうえに固定する歯は、セラミックなどでできている人工の歯なので、虫歯になることはありません。しかし、インプラントを埋め込む顎の骨や歯肉は人工ではありませんので、手入れをしないと、インプラントの治療箇所もインプラント周囲炎になってしまいます。
インプラント周囲炎は、インプラントの周りにプラーク(歯垢)や歯石が溜まることで起こります。歯肉が炎症を起こし、歯周病と同じように顎の骨が溶けてしまう病気なので、顎の骨と結合させることで上部の歯冠を支えているインプラント治療にとっては致命傷です。
せっかくのインプラント治療が台無しにならないよう、毎日のホームケア(患者さまによるブラッシングなどのケア)や、プロによる定期的な検診やケアがとても重要なのです。
安全性と成功率
インプラントは、人の身体と親和性の高いチタンを使用しております。
チタンはアレルギー性もほとんどないことが確認されており、安全な素材です。
インプラントメーカーの報告として、過去10年間の統計で術後10年以上使用できた=成功率は95%という報告があります。
当院でのインプラント成功率に関しましては、平成21年度インプラント学会での発表で1600本のインプラント埋入手術に対し98.6%の成功率を示した報告があります。
インプラント保証期間について
当院では、メンテナンスの継続、マウスガードの装着等を条件に、インプラント(上部構造を含む)は治療終了後から5年間の保証期間を設けております。
インプラントの予後について
インプラントを長持ちさせるためには、毎日の丁寧なホームケアに加えて定期的なプロのメンテナンスも欠かせません。
正しいケアやメンテナンスをしている人と、そうでない人とでは、明確に耐用年数が違ってしまいますので、一概に『○年もちます』とはお答えできないのが実情です。
ただ、メーカーの報告では術後10年を経過できた症例が95%というデータがありますので、お口の健康と清潔を保つことで、さらに長期にわたる使用が可能といえます。